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大澤 崇人
計測技術, 51(6), p.21 - 26, 2023/05
減圧濾過は湿式分離で一般的に行われる操作であり、濾過鐘を用いる方法がよく用いられている。筆者は湿式分離操作の完全自動化システムを開発してきたが、その中でロボット専用の自動減圧濾過装置を開発した。さらにこの装置を人間が操作できるように仕様変更して製品化した。
川端 邦明; 佐藤 徳孝*
計測と制御, 62(5), p.276 - 279, 2023/05
ドローンを代表するUAS技術分野は急速な発展と多様な分野への活用が期待されており技術開発が盛んに進められている。現状のUAS技術、また、今後開発されるUAS技術がそれらのニーズに対する適合性や技術発展を客観的にみるためには、性能を見極める標準的な試験方法についても開発、整備していくことが重要である。本稿では、著者らが取り組んでいる、飛行空間やセンシングに制約が課せられる状況下における小型UAVシステムを定量的に性能評価を行うための試験法開発の狙いと開発について解説する。
鳥居 建男; 眞田 幸尚
計測技術, 50(11), p.23 - 28, 2022/10
東日本大震災により発生した東京電力福島第一原子力発電所(以下、福島第一原発という)事故に伴い、多量の放射性物質が広く環境中に放出・拡散した。それから10年余の月日を経た今、福島第一原発の廃炉作業や福島県内での除染作業など、取り巻く環境も大きく変化してきている。一方、事故後10年以上が経過した現在でも、福島第一原発周辺には避難指示区域が存在し、約5万人が避難を余儀なくされている。環境回復のため、モニタリングやさらなる技術開発は継続されている。また、福島事故直後の環境汚染に対するモニタリングの対応経緯や経験の中には後世に伝えるべき教訓を含んでいると考えられる。ここでは、現在における環境中の放射線分布の概況と放射線検出技術開発の展望について概説する。
呉田 昌俊
流体計測法; 改訂版, p.367 - 371, 2022/04
日本機械学会が流体計測法をまとめた技術資料の改定版を刊行する。本稿は、その応用編の一部であり、進展が著しい先進的な熱流体計測技術を用いた応用事例の紹介が主な内容となっている。「ボイド率分布計測」の章では、機器の内部を流れる気液二相流を対象として、ボイド率分布を中性子線で可視化や計測する技術について解説した。前半は、ボイド率の定義、中性子透過法による計測やCT撮像技術の基本原理について解説した。後半は、様々な混相流の2次元、2次元の時間変化、3次元、3次元の時間変化の順に、可視化・計測結果を示した。
山田 大地; 大矢 晃久*
計測自動制御学会論文集, 52(12), p.661 - 670, 2016/12
本論文では、移動ロボットの自己位置推定を目的として、過去のスキャンデータの統計量によるレーザスキャナの計測モデルについて述べる。ロボットの自律移動において、一般的にロボットはあらかじめ用意した地図上の自己位置と目的地をもとに走行する。このため、自己位置推定が要素技術となる。レーザスキャナは高精度かつ高速に周囲の形状情報を取得できるセンサであり、自己位置推定に広く用いられている。しかし、人が生活する環境では歩行者などの移動物、路面の傾きやロボットの振動など様々な原因により、レーザスキャナの形状情報が曖昧となる。このため、地図に記述するランドマークの情報を得ることが困難となる、また地図と自律走行時のセンサデータの照合が困難となる。本研究では過去のスキャンデータにおける統計量を地図に用いる。統計量を用いることで、形状情報が曖昧であっても、頻度や分布などの傾向から自己位置推定可能な特徴が得られる。本論文では、この地図を用いたレーザスキャナの計測モデルと、この計測モデルをパーティクルフィルタに適用して自己位置を推定する方法について述べる。実際の歩道において評価実験を行った結果、本手法を用いた自己位置推定は高い正確さを示し、ロボットが安定して目的地まで到達することに成功した。
眞田 幸尚; 山田 勉; 平山 弘克; 伊村 光生; 西澤 幸康; 鳥居 建男
第1回計測自動制御学会制御部門マルチシンポジウム報文集(USB Flash Drive), 5 Pages, 2014/03
福島第一原子力発電所の事故直後より、有人ヘリを用いた航空機モニタリング及び無人ヘリモニタリングを実施してきた。上空からの放射線モニタリング技術は、事故直後から使用されており、その測定結果は様々な研究や政策に用いられている。ここでは、遠隔モニタリング用の放射線検出器の開発状況及び将来の展望について報告する。
久保 真治; 長家 康展
計測・モニタリング技術; 化学計測・計装の最先端とその応用, p.28 - 43, 2011/07
複数の光子線、あるいは異種放射線(例えば、光子線と中性子線)を組合せることによって、化学分野におけるプロセスシステム計測・モニタリング技術の応用範囲は拡大する。放射線によって被測定物の組成情報を得ようとすると、放射線を計測対象に照射し、その対象物の情報をいかに有効に引き出せるかが肝要となる。本稿では、このような視点から放射線による組成計測方法を概観した。また、エネルギー強度が異なる二種類の線(バリウム線源,セシウム線源)をプローブとする組成計測方法をISプロセスの主要流体(硫酸相溶液, HI-I-HO-HSO溶液)へ適用した研究成果について述べた。検出器出力から組成情報を得るための回帰式を導出するとともに、模擬溶液を用いた測定実験を行い、本式を用いて放射線によるオンライン組成計測が可能であることを示した。さらに、モンテカルロ法を用い、実験系(線源,容器,溶液,検出器)を対象としたコンピューターシミュレーションを実施し、本組成計測方法の検出器出力が予測可能であることを示した。これにより、本方法の汎用化、設計・運用の簡素化・効率化を狙いとしたシミュレーションによる計測システムの設計手法が構築できる可能性を示した。
関 健史*; 長縄 明大*; 岡 潔; 芳野 純治*
計測自動制御学会産業論文集, 10(2), p.7 - 16, 2011/05
小腸内検査はダブルバルーン内視鏡やカプセル内視鏡で行われるが、小腸内に癒着や閉塞が存在する患者に対して適用することは困難である。そこで、著者らはこれらの症状のある患者に対して適用可能な、イレウスチューブと外径1.1mmの光ファイバスコープを組合せた新しい小腸内視鏡を開発した。本内視鏡は、イレウスチューブ先端に配置されるバルーンの内圧を制御しながら、一定速度でチューブを引き抜くことにより、小腸の全域検査が可能となる。これまでの研究により、イレウスチューブと医療用シリンジを組合せたバルーン内圧制御装置を開発し、その制御性能を検証した。本研究では、臨床で医師が用いる多種多様なシリンジに対して制御性能を保持させるため、逐次最小2乗法を用いた新しい2自由度制御系の設計を行い、本手法の効果を検証するための制御検証試験を行った。目標値応答特性では、バルーン内圧は規範モデル出力によく一致し、整定時では以内の制御精度が得られた。加えて、PID制御手法ではシリンジの違いによる影響が生じる外乱抑制特性に対しては、提案する制御手法を用いることで、その問題を解決することができた。
関 健史*; 長縄 明大*; 岡 潔; 千葉 敏雄*
計測自動制御学会産業論文集, 9(10), p.70 - 75, 2010/04
双胎間輸血症候群の治療方法のひとつとして胎児鏡胎盤吻合血管レーザー凝固術がある。しかしながら、血流計測や胎盤吻合血管からファイバ先端までの距離の把握など、このレーザー照射治療には高度な内視鏡技術を必要とするが、治療に関する明確な指針がない。著者らはファイバの中心に焼灼用レーザー導光用ファイバを配置し、その周りに映像伝送用光ファイバを配置した複合型光ファイバスコープ(外径2.2mm)の研究開発を行っている。レーザーの伝送効率が非常に高く(84.7%)、照射部からファイバ先端までの距離が10mmの場合、レーザー出力2040Wでは、ほぼ一定の大きさの焼灼性能を有している。さらに、前稿では胎盤の血流遮断のための基礎試験として、熱電対を用いたレーザー出力制御を豚レバーに対して行い、0.3Cの精度で照射部の温度を制御できた。本研究では、温度管理を行いながらレーザー出力制御を行うため、血流が存在する豚の腸間膜血管に対してレーザー照射を行った。その結果、目標温度60, 70Cに対して、熱電対を用いたフィードバック制御システムにより17Wの低出力で温度保持(0-2.0C)を行うことができた。さらに、レーザー式血流計によりレーザー照射前後の血流を計測し、血流が遮断していることを定量的に確認した。
宮村 浩子; 呉田 昌俊; 瀬川 麻里子; 久保 純*; 斎藤 隆文*; 鈴木 喜雄; 武宮 博
電気学会研究会資料,産業計測制御研究会(IIC-10-73), p.7 - 12, 2010/03
中性子ラジオグラフィによって金属物体内部の水やオイルを測定する試みがなされている。ここで、高速カメラによって高速回転するエンジン内部のオイルの可視化に成功した。しかし、オイルは、滴状だけでなく、霧状であることもあり、これらの状態を認識し、解析することは難しい課題である。そこで、画像処理のテクニックである多重スケール解析によって、エンジン内部のオイルの状態を認識することを試みる。
宮村 浩子; 大坐畠 智*; 中尾 彰宏*; 川島 幸之助*; 鈴木 喜雄
電気学会研究会資料,産業計測制御研究会(IIC-10-85), p.27 - 32, 2010/03
大規模ファイル共有ネットワーク可視化システムを提案する。ネットワークデータはノードと、ノード間の接続を表すリンクから構成されており、このリンク数が増加するとリンク同士が交差し、ネットワーク構造を把握するのが困難になる。そこでわれわれは、ネットワーク構造を把握でき、ネットワーク上で重要な役割を果たすノードを特定することを助けるためにネットワーク可視化システムを提案する。また、ユーザが重要なノードを対話的に探索できるように、フィルタリングやノード配置等の機能を併せて提案する。
長縄 明大*; 岡 潔; 鈴木 克征*; 関 健史*; 千葉 敏雄*
計測自動制御学会産業論文集, 7(8), p.53 - 59, 2008/07
近年、双胎間輸血症候群に対して、胎盤表面の吻合血管を内視鏡で観察しながらレーザーで凝固し、血流を遮断する治療が行われている。しかし、この手術では胎盤表面とレーザーファイバ先端間距離を適切に調整することが難しい。距離は血流遮断に大きな影響を与えるため、適切な距離を保ちながらレーザー出力を制御する必要があると考えられる。本研究では、治療用レーザーファイバと観察用ファイバを同軸上に配置した複合型ファイバを用い、胎盤表面とファイバ先端間距離を一定に保ちながら、レーザー照射される被照射物の温度管理を行い、適切な血流遮断を行う方法について検討を行っている。本論文では、レバーを用いたレーザー照射実験において、温度センサを用いたフィードバック制御系を構成し、豚レバーに対して照射した実験結果について述べる。
小嶋 拓治; 清藤 一
計測標準と計量管理, 57(3), p.23 - 28, 2007/11
放射線滅菌や高分子材料の改質などの放射線加工における工程・品質管理、原子力発電施設や高エネルギー加速器あるいは観測・通信衛星などにおいて放射線環境下で用いられる材料・機器類の耐放射線性試験・寿命評価などでは、Gy以上のいわゆる大線量域の線量測定が行われている。ほかの計量と同様に、信頼性,経済性,貿易などの観点から、計測の品質(信頼性)を保証するために、現場で使用する線量計の持つ不確かさが国家・国際的標準に遡って明示できること、いわゆるトレーサビリティが不可欠である。欧米に比べて遅れたが、現在、日本でも大線量域におけるトレーサビリティ制度の整備が進められている。ここでは、原子力機構における大線量率の照射・計測システムに関する成果を含め、放射線利用又は試験・研究における大線量域の線量計測・トレーサビリティについて、その目的,国内・国際的な線量標準化の経緯・現状などの概要を述べる。
山崎 弘郎*; 本多 敏*; 上田 雅司; 遠藤 昭*; 笛木 学*
計測自動制御学会論文集, 43(9), p.756 - 761, 2007/09
高速増殖炉は、輸入に依存するウラニウム資源を有効に活用できるため、日本のエネルギー事情に適した動力炉として期待されている。一方、同炉の炉心では、熱出力密度が著しく大きいために、冷却材として熱伝達特性が優れた液体ナトリウムが使用される。本論文は液体ナトリウムの温度を管路の外側から電気抵抗方式により計測する新しい温度計測手法について、理論的解析,数値シミュレーション,試作検討結果などを述べたものである。
赤坂 博美; 高野 正二; 佐藤 朋樹; 川俣 陽一
平成18年度名古屋大学総合技術研究会回路・計測・制御技術研究会報告集, p.106 - 109, 2007/03
JT-60のタイミングシステム(TS)は、JT-60実験運転時に各種計測・制御機器の動作に必要なトリガー信号や基準クロックを各設備に送信するシステムである。このTSを構成しているCAMACモジュールは高経年化による故障が増加している一方製造中止により保守部品の入手は不可能な状況である。また、機能面ではタイマー最大設定が65sまでというハードウェア上の制約、基準クロック1msを250sに分周して動作しているプラズマ位置形状制御計算機は、20sを超える放電ではその精度が問題となっている。現在、TS構成機器の上記問題を解決することを目指し、改修後のJT-60で適用可能なTSの開発を開始した。開発にあたっては2つの設計方針を採用した。(1)遅れ時間を最小にするため、タイミング信号出力の論理演算がプログラミング可能な半導体集積回路であるFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いたシステムとする。(2)高精度化のために基本クロックを40MHzとする。本研究会では、新TSのシステム構成の検討結果と開発を開始した実時間制御用タイミング信号発生機器について報告する。
近藤 貴; 林 利光; 河野 康則; 草間 義紀; 杉江 達夫
特定領域プラズマ燃焼のための先進計測News Letter, (5), P. 2, 2006/11
燃焼プラズマ中の閉じ込められたアルファ粒子の速度空間及び実空間での分布計測を目的として、協同トムソン散乱計測法を開発している。ITERのアルファ粒子計測のためには、出力20J、繰り返し周期40Hzの単一モード発振のパルス炭酸ガスレーザーの開発が鍵である。しかし、これまでに開発したレーザーは15J/0.5Hzと、要求される繰り返し周期に大きな開きがあった。そこで、国内メーカーのマーキング用炭酸ガスレーザー(出力3.5J、繰り返し周期20Hz、マルチモード発振)をもとにアルファ粒子計測用レーザーの開発を進めた。放電励起部を6連結し、さらに放電電圧を上げるなどで高出力化を行い、種レーザーを入射することで単一モード化を行った。現在までに、出力17J、繰返し周期15Hzの単一モードの炭酸ガスレーザー出力と、35Jの単一ショットの出力を達成した。これにより、アルファ粒子計測用炭酸ガスレーザーを実現する見通しを得ることができた。今後、レーザーの安定化と高出力化を行うとともに、JT-60Uプラズマを用いた原理実証実験を進めていく。
岡 潔; 檜山 昌之*
計測自動制御学会論文集, 40(1), p.109 - 116, 2004/01
国際熱核融合実験炉(ITER)の核融合反応空間である真空容器内部を構成する機器は、真空容器内に発生する二重水素と三重水素(D-T)の燃焼による14MeVの中性子により放射化され、反応停止時の保守時においても高放射線環境下となるため、これらの機器の保守・交換は全て遠隔操作で行うことが要求される。一方、平成11年9月末に発生したJCOの臨界事故では、放射線の空間線量率が高く、事故現場への救助活動員のアクセスが困難となり、事故現場の状況についての情報が不十分で、事故の収拾が大幅に遅れた。このため、日本原子力研究所では、これまでに人の代わりに真空容器内機器の交換・保守を行う各種遠隔操作機器の開発及び事故現場に即座に侵入して情報収集や事故拡大防止・停止処置作業を行うロボットの開発を行ってきた。本件では、このような背景を踏まえ、核融合炉内や原子力事故時等の高放射線環境下で作業するロボットに搭載可能で、ロボットと対象物間の距離を測定することが可能な距離測定手法について新たに考案したので、その原理について述べるとともに、本手法を基に設計・製作を行った距離測定センサについて、その概要と特性試験結果を報告する。また、本センサの原理を実際に原子力事故時対応ロボットに適用した例についても併せて報告する。
小林 忠義; 宮島 和俊; 柳原 敏
計測自動制御学会第3回システムインテグレーション部門講演会(SI2002)講演論文集,2, p.105 - 106, 2002/00
平成11年9月に東海村で発生したJCO臨界事故では、事故直後に現場の状況を把握することが困難であったため、事故の収束に向けて取るべき対策の決定に多くの時間を要した。この反省から、原子力施設で事故が発生した際に事故現場へ進入し、事故の原因究明や収束・復旧方法の検討に必要な情報を収集して外部の安全な場所に待機する人間に情報を送信するロボットの整備が急がれた。そこで原研では、これまで原子力用ロボットの開発を通して培ってきた経験や知見等をもとに、原子力施設事故時に対応する情報遠隔収集ロボット(RESQ)を開発した。本報告では、情報遠隔収集ロボットの開発にあたって定めた開発目的,主要な機能,操作性等について紹介する。
榊泰 直; 吉川 博; 堀 利彦*; 十河 拓也*; 足立 紀彦*
計測自動制御学会論文集, 35(10), p.1283 - 1291, 1999/00
SPring-8の線型加速器は、目標性能を十分に満足した運転が続いている。しかし、この加速器には、次世代計画として、現在のエネルギー性能をさらに1桁以上向上させ、次の物理実験に利用する予定がある。これに向けて現在の設計性能では問題視する必要のなかった性能劣化要因も究明し、改修される必要がある。このような要求から、統計的手法を用いて加速器の不確実なふるまい部分を解析した。本論文は、加速器の次世代計画に必要な性能を得るために、システム全体を統計的手法で解析し、システムの問題点を解明している。さらに、得られた知見を活かして、予備実験的に電子ビームの性能を制御し、システムの問題点を違った角度から検証している。
渡部 和男
標準物質; 分析・計測の信頼性確保のために, p.175 - 178, 1998/00
核燃料・炉材料関連の標準物質に関して、原研分析センターにおいて開発・作製したものを中心にとりまとめた。ジルコニウム合金については、JAERI Z11~Z23について、耐熱合金は、JAERI R1~R9について、核燃料ウランについては、JAERI V1~V5について、それぞれ試料の特徴、認証成分元素等を記述した。